2015/11/25
タイプ9をアニメのキャラクターで表すと山田太郎、 ドカベンです。ドカベンは、水島新司作の野球漫画のなかで、キャッチャーでありキャプテンである山田太郎のあだ名です。風貌は柔和で、体格はがっちりしており、気は優しくて力持ち、闘志を胸に秘めた平和主義者です。寡黙な努力家であり、メンバーの一人一人を暖かく見守り続けるリーダー、ドカベンは今も多くのファンに愛されています。
タイプ9の生き方は、心に生じる葛藤に直面することを避けるが故に、決断しないところに特徴があります。喪失、離別、自分が消滅させられるのではないかという恐れを感じるが故に、他者を受容しようとする態度を見せ、寡黙になります。
タイプ9は、相手の態度や意見に合わせることに抵抗を感じません。逆に、反対すること、自分の意見を主張すること、言うべきことをはっきり言う場から遠ざかろうとします。他者の考えを試着するように、それぞれの意見を聞き続けます。まるで寓話のコーモリが、鳥と動物の両方に自分は仲間である、と言ったように本当の姿を明確にしようとしません。本人は、鳥にでも、動物にでも、どちらであっても大差ないように感じていますが、それは、他者との葛藤を避けようとする無意識の力がそうさせるのです。万一問題が発生し、右か、左かの決断を迫られると、右、左ともに正しく思えて、その場から逃げ出したくなります。
タイプ9の良さは、周りとの調和を大切にし、相手を理解することに長けていることです。一人一人を受け入れる力を持ち、聞き上手です。全体から満遍なく話を聞いた後は、総合的に考えをまとめ、全体像を作り上げていきます。ジグソーパズルのピースを組み合わせて1枚の絵を完成させていくように、それぞれの意見に黒白をつけず、黙々と体系化していきます。このようにタイプ9は、他者への共感性、受容力の高さが大きな特徴です。
反面、自分を尊重せず、自己を卑下するあり方にしがみついています。勢い他者からないがしろにされていると思い込み、怒りを内部に溜め込みます。それは、自分のアイデンティを受容せず、真の自分自身に生きることを避ける、間違った生き方、というばかりではなく、少なからず業務と人生全体(恋愛や結婚など)にもトラブルを生じさせる原因となります。
タイプ9の人物をその他に求めると、アテネオリンピックで金メダルを取ったレスリングの浜口京子、歌手の瀬川瑛子、歴史上の人物では西郷隆盛がいます。西郷隆盛の人物像の形容に「ドンと叩けばドンとなる。トンと叩けばトンとなる」があります。西郷隆盛がどのような人とも呼応した、平和主義的なリーダーであったことは良く知られているところです。
業務上では、新しいことへの取り組みを躊躇してしまう傾向があります。ストレスや不安が生じるとことごとく心配し、義務や定型的な仕事だけに執着するようになります。 また、自分の存在、意見を取るに足らないものと考えており、自己への信頼感の欠乏があります。それ故に他者との衝突を避けるタイプ9は、「平和を望む人」です。
第2節 タイプ9の見分け方
タイプ9は、包容力のあるゆったりとした雰囲気を持っています。皆が満足ならばOKだと考え、話し方はおっとりしていて、安定感があり、心地よい空気を感じさせます。男女ともに、体格の立派な方が多いようです。
使用する言葉としては「どっちでもいいじゃない」「私はどちらでも構わない(あなたが決めて)」「あなたはどう?」「これは単に私の個人的な考えだけど・・・」「たいしたことじゃない」「その件は後にしましょう」「私には気を使わず、みんなで決めて」「適当にうまくやっといてくれ」「それもいいね」「みんなにも聞いてみよう」「なんとなく」などです。議論をしても明快さを欠いた、いわゆる玉虫色の結論になりがちです。
タイプ9は、いったん拒絶の態度を決めたときは、テコでも動かないがんこさがあります。上司の指示に同意できないといい加減に仕事をしたり、何もせずに放置する悪癖もあります。また、人に頼まれるとイヤとは言えず、後から後悔するのも特徴です。