2015/11/27
タイプ9は、感情的に不満、ストレス、怒りを表面に出すことはありません。怒りの感情的な爆発は20年、30年に一度の周期であり、そのパワーは、それはすさまじいものでしょう。そのエネルギーを溜め込んでいる期間、仕事や決定を遅らせることで静かなストライキを実行します。周りは、タイプ9の牛歩戦術にますますイライラさせられ、怒りを募らせるのですが、タイプ9はその手を緩めず最終的には、岩のように固まる手法で抵抗の姿勢を見せます。
コーチ役は、他者が自分を否定し、人が離れてしまうのではないか、というタイプ9の怖れ、妄想に気づかせ、本人に少しずつ、想い、怒りを表現させる指導が必要です。(①のセッション部分)そしてタイプ9が持つ、忍耐強さや安定した気質、優しく力強いパワーを承認し、自己への信頼感を育てる必要があります。(②のセッション部分)コーチ役は、メンターとしてタイプ9を大きく見守る姿勢で、継続的に信頼を寄せてあげてください。(③のセッション部分)大きな視点で育成すると、タイプ9はドカベンや西郷隆盛のような、素晴らしい、大きなリーダーとなる可能性を持っています。
EC=エニアグラムコーチング例「自分の意見を主張することは、他者からの否定に結びつかないことに気づかせる」
課長(上司) 「お疲れ様」
リーダー(部下)「お疲れ様です」
課長 「さて、先回の続きだが、いろいろ考えてみれたかな」
リーダー「ええ、一応考えてみました」
課長 「うん、それでどうだった?」
リーダー「自分を尊重していないということは、そうかもしれない、と思うところもあります。それから、他者との衝突を避けているというのは、確かにそうです」
課長 「うん、なるほど、それで?」
リーダー「・・・」
課長 「君が、スタッフとの調和を心がけている人だ、ということは、よく理解できる。ただそれが、他者との葛藤を避けようとして、マイナスな方向になってはまずい、と、私は言いたかったのだ」
リーダー「はい」
課長 「それはどういうことかというと、君の意見はとても重要だし、必要なのだと伝えたかったのだ」
リーダー「本当にそうでしょうか?・・・自分の考えは、皆にはあまり関係ないと考えてしまうのですが・・・」
課長 「・・・(積極的な沈黙)」
リーダー「・・・どうすればよいのでしょう」
課長 「・・・どうするかねぇ・・・」
リーダー「自分の意見は、早く出さなくても良い、と思う気持ちが働くのですが・・・」
課長 「それを続けるとどうなる?」
リーダー「苦しくなります」
課長 「そして、君の中には、自分をないがしろにされているような、ストレス、怒りが蓄積していないかな?」
リーダー「本当は・・・確かにストレスはあります」
課長 「それをどうするかねぇ」
リーダー「確かに、ストレスは感じますが、ストレスも出せない自分がいます」
課長 「君の課題は、意見だけではなく、その怒りやストレスを健全に出して、なおかつ皆とうまく調和することだね」(①怖れ、妄想に気づかせ、本人に少しずつ、想い、怒りを表現させる)
リーダー「そうですね・・・難しいですね・・・」
課長 「難しいよね・・・」
リーダー「・・・」
課長 「・・・(積極的な沈黙)」
リーダー「・・・」
課長 「他者の意見に左右されるのではなく、自分の意見、想いをどう伝えるか・・・」
リーダー「確かにそうかもしれません。伝えることを避けています」
課長 「君のいままでの過去の経験で、君が自己主張すると、君から人が離れていったり、君が否定されてしまう、ということはあったのかな?」
リーダー「うーーん、自分の中では、すぐにそこに結びつきますね。でも、過去全てが、そうではなかったですよね」
課長 「そこかな、真の課題は・・・」
リーダー「そこかもしれませんね。確かに思い込みもあるかもしれません」
課長 「うん、私もそう感じるよ。賛成・反対の意見を出すことが、自分を否定してしまう結果になるように感じて、怖くなるのだね」
リーダー「そうですね。確かに、自分の思い込みですよね。みんなは賛成・反対を言っているわけだし・・・」
課長 「うん、そうだね。君のどっしりした態度は、皆を安心させるが、君の想いも大切にしないとね」(②忍耐強さや安定した気質、優しく力強いパワーを承認し、自己への信頼感を育てる)
リーダー「はい。でも、すぐにまた同じことを繰り返しそうです」
課長 「身体に定着するまでは、何度も意識した方が良いよ。今日の話し合いをまとめるとどうなるかな?」(③大きく見守る姿勢で、継続的に信頼を寄せる)
リーダー「自分の意見がでない時は、怖れが来ている時で、しかし自分の意見を言ったからといって、自分が否定されるわけでは無いと・・・。やはり自分は怖れているんですかね」
課長 「うん、そうだね」
リーダー「有難うございました。意識してみます」
解説
タイプ9へのNGワードは「あなたに関心が無い。ここにいなくても良い」です。他者とのつながりがなくなることを強く恐れ、自己卑下しやすいタイプ9はこれらの言葉によって、自分がこの世に存在することへの否定ととらえます。あなたの元を去り、あなたに強い怒りを溜め込むでしょう。気をつけましょう。