当社では人間の気質を診断するために、一定のテーマで絵を描き、その絵の特徴から気質を読み取る方法を用います。絵は、画用紙にクレヨンで描く方法がもっとも一般的ですが、描いた内容が明確であれば、鉛筆書きでも、その気質ははっきりと現れます。緊張により、気質(自我・性格構造)が心理の表層に現れる現象を活用しています。
比較して、他の診断ツールは、文章選択による質問形式の方法を用います。自己認識により自己診断する方法は間違いが生じやすくなります。人間は自己認識の間違いを客観的にとらまえることが大変困難であるからです。学者たちはこの現象を「人は自分と近すぎるから」と言い、また「人は自分と遠すぎるから」とも説明します。しかし、いずれにしろ人は誰でもゆがんだ自己概念を持っており、真実の姿を認識することは大変困難です。それ故、自分はこういう人間であると主張する主観的人物像より、他者から見た本人の性格を他者が表現した方が、より共通して受け入れやすい人物像となるのです。(他者から見た方が、より正しく本人の本質を見抜いています)
ですから、質問による自己診断の7割~8割は間違った気質を自分と信じ込んだ、誤った結果です。それに比較し、絵の特徴から気質を読み取る方法は、自己の緊張による反射を活用しており、もっとも精度の高い診断技術です。
エニアグラム学習者は他者の気質を診断する際、顔、体格、身につけているモノ、雰囲気(タッチ)と、価値観への質問で正確な診断を行うことができるようになります。
おおよそ、6カ月の訓練で、8割がたの精度での判別が可能となります。顔での判別は、目の形と額の広さ、あごと頬の緊張となどを何度か見るうちに、直感的に、気質が見分けられるように、どなたでもなります。そのための訓練として、カラオケに行き、画面に映るモデルを観察しながら指導を受けることを推奨しています。エニアグラムを使用してキャラクター作りを行っているハリウッド映画を観て、演技者の動き、表情、役割、言語から気質を読み取る学習も効果的です。また、それぞれが持っている価値観の言語を使用して、質問することで気質を特定できます。
応用技術としては気質別コミュニケーションがあります。各気質の相手が持つ固有の言語を使用するトレーニングを行うことにより、互いにストレスを与えることなく、滑らかなコミュニケーションが出来るようになります。
顔や雰囲気で他者の気質を特定する方法は診断者に熟練を要しますので、万人向きではないことから、現在、独自に、カメラがとらえた顔の特徴から診断を行うアプリの研究に着手しており、世界で最も精度の高い、かつ簡便な診断を実現しようとしています。
気質ごとの顔の特徴を抽出し、各気質のモデルを、顔写真として資料化しています。ある気質は、共通して顔の中にハートが現れるので癒しを与えるなどの共通項を発見し、100人以上の顔写真のサンプルが収集され、さらに研究が進められています。
各気質が持つ言語を研究し、言語表を作成しました。「ま、いっか」(タイプ7)「白黒はっきり」(タイプ8)など気質ごとに、300以上の共通言語が収集され、さらに研究が進められています。
応用分野としては、前述したコミュニケーションへの活用ばかりではなく、映画などの商品説明に気質ごとの文章を作成出来るようになり、マーケティングに活用できます。又、レコメンデーションの新たなエンジンとしての開発が進められています。
各気質が好む色を抽出し、色と各気質が持つ怖れとの関係を明確にしようとしています。例えばあるタイプは、つながりが切れる怖れから、まだらな色を好むことが発見されました。服飾販売、製造物の色の付け方、マーケティングなどへの応用が考えられます。
各気質が好むゲームを共同で研究し作成しました。例えば「他者を助けること」に価値観を持つタイプ2には、他者を助けることで点数が獲得できるゲームを、また「バランス」に価値観を持つタイプ9には、バランスを保つゲームを作成しました。
メンタルヘルス不調問題の予防・ケアを行う技術を研究開発しています。職場におけるメンタルヘルス不調問題の多くは、人間関係に起因する(厚労省報告)とされています。人間関係には、気質同士の衝突が存在しています。互いに気質の違いを理解してコミュニケーションするだけで、人間関係は大幅に改善します。人間関係のストレス障害を緩和、解消する手段として、エニアグラムの技術は非常に有効です。
当社は自我と本質の自己理解が人格的自己成長の根源的技術であることを主張しています。人間は、他の生物には存在しない強い自己概念、自己像を持った生き物です。自己概念の根源は、他者からこのように見られたいという欲求と自分の理想の混雑した姿、また生きてくる過程で身に付けた像です。つまり、ほとんどの人間が、(本当の自分では無い自己像を信じて)ゆがんだ認識(理想自我)を持っているのです。
エニアグラムの知識は、自分の理想像やゆがんだ自己像から、生まれ持った気質、真実の自我の姿に目を向けさせます。人間が真の自我の姿を自分の目の前に見せつけられた時、少なからずショックがあります。このショックが、自分のもつゆがんだ自己像を破壊、又は分解させるのです。その時、人は混乱します。それは人格的な崩壊とも言えるでしょう。その後、人は自己概念を見直し、修復、再成が自動的に行われます。幸いにも、人間には自己修復機能が備わっており、同時に新しい自己認識が始まります。これは人格の再構築、人間の器の再生とも言えます。
この過程の中で、自我(ほとんどは気質が生み出した囚われ)は退縮し、自我の下にある人間が皆持っていて、まだ発現していない、本質的基盤が顔を出します。これは、新たな自分を体現し、意識構造が変化、成長した姿と言えます。
自分の個性、言いかえれば自我を正しく客観的に説明できる人間は稀です。しかし、エニアグラムは、我々に指示・命令すること無く、もちろん強制や苦痛、操作を与えることなもく、人間が従来持つ機能を目覚めさせ、本質のバックアップシステムを起動させる優れたプログラムです。
これにより、人はより深層における気づきがもたらされ、連続的な行動の変容を体験します。これは単に知識ではなく、知恵と呼べる深遠な宝であり優れた人格の自己成長技術です。
さらに「エニアの薬」と呼ぶ文言、セルフメッセージを使用する方法があります。自動的な自我の反応が緩和される言葉を自分に語りかける(ストロークする)方法は人格的成長に効果的な技術です。継続することで、根源的な怖れを手放すことが出来ます。さらに、自己の成長方向と健全性を意識し続ける訓練も有効です。例えば、思考型の気質の場合、身体感覚を強化する座禅は、精神の安定に大きな効果をもたらします。これらいくつかの方法は、気づきをもたらし、全人的統合、また本質的成長への豊かな海へと人を運んでいきます。
当社のセミナーは、これらいくつかの技術の組み合わせをワークする方法で、人格の成長を促します。
自分の内面が9つの性格タイプの一つであることを理解し始める段階。
自己理解「内なる自己の発見」
■状態・・・自分の内面が9つの性格タイプの一つであることが分からない。又は、自己の自我・気質を受け入れるものの、自己の性格タイプに疑念がある。自我・気質が持つ、自己中心性が強く残っている。
■能力・技術・・・他者の性格タイプが、わずかに理解でき始める。他者の性格タイプの分類もでき始めるが、精度は50%程度までにとどまる。
■態度・行動・・・外面的に大きな態度・行動の変化は見られないが、自己、他者に自我・気質の観察を行っている。自己の行動が、自我・気質の働きによってコントロールされていることへの、気づきが増えてくる。
他者との関係を良いものにしようと努力を始める段階。
しかし、そのためには、自分の自我・気質に向き合うことを求められ、苦しい。
■状態・・・自分の自我・気質が、一つの性格タイプに属していることへの確信が深まっている。固着した行動「わかっちゃいるけど、止められない」を自己非難し、自分に失望し始める。他者の自我・気質を理解はするが、他者の自我・気質に無意識の心理的抵抗があることにも気づく。
■能力・技術・・・他者の自我・気質への理解が深まり、性格タイプの分類もでき始めるが、精度は70%程度までにとどまる。
■態度・行動・・・他者との関係を良いものにしようと、努力を始める。そのためには、自分に向き合い続けなくてはならず、苦しくなり逃げだす、又は開き直る態度をとる者もいる。
超自我との闘いがあり、他者支援の挑戦を始める段階。
本質の働きはまだ顕在化しない。
■状態・・・自己の我(ego)の薄い層が剥離し続ける。自己中心性が弱くなり始める。
■能力・技術・・・他者への支援方法を実践しようとし、成功することもあるが、強く意識しないと実現できないので、支援能力は安定しない。
■態度・行動・・・超自我の命令と闘う。しかし、自己の自我・気質への観察を中断すると、超自我に乗っ取られ、学習前の無自覚な状態に戻ることもある。
本質の働きが高まるとともに、強い悲しみや喪失感に襲われる段階。
■状態・・・自己の自我・気質の働きがだいぶ弱まり、本質が働き始める。しかし、自我・気質が本質の働きを妨害するため、強い悲しみや喪失感に襲われる。いっそ、自我・気質の命令に従った方が良いのではないかと揺れ動く。自己に向き合い続けるストレスから、健全性が、一時下がることもある。
■能力・技術・・・自分の反応を継続的に、客観的に観察できるようになる。他者の行動の、自我・気質における動機について、考える事が出来るようになる。
■態度・行動・・・他者の立場に立って、物事を見、行動をしようとし始める。自分がどのような言動をすることが、自己と他者にとって良いのか考え、支援行動に挑戦し続ける。
苦手な他者は存在するものの、対人関係は良好で、利他的な行動をとる段階。
他者の幸福に貢献する。
■状態・・・苦手な他者は存在するものの、他者の自我・気質と自己の本質が反応し、健全性が高まった状態が続く。自己中心性が低く、対人関係が良好で、幸せな状態が続く。
■能力・技術・・・他者の立場に立ってものを見ることができ、言動を適切にコントロールできる。他者の成長を促す能力が高まり続ける。
■態度・行動・・・利他的な態度、行動をとり、他者の幸福に貢献する。
健全度を測定する技術の開発に取り組んでいます。応用分野としては、自己成長、精神状況の判断、採用、対人関係の判断などです。
マーケティング、医療、コールセンター、社労士業務など多くの分野で気質による成長事例を蓄積し、効果性の高いコンサルティングを実現しています。