2018/02/01
2018年1月30日のメルマガ・ブログで、
本件について触れました。
さらに解説を簡単にします。
本質的成長とは、一般的な成長のように、
2歳児が3歳になったことで、言語が発達するような
自然な成長ではありません。
自分の内面に自我がしっかりと発達していることが
理解できる年齢になってから、
人工的に起こすことが出来る、
心理的な内面の成長の事です。
まず、明確に意識してほしいことは、
性格タイプと本質は全く種類が異なる、
2つの心理構造物であるということです。
分かりやすくするために、卵を想像してみてください。
卵は、卵の殻と、白身と黄身に分かれていますが、
ピッタリとくっついています。
そして殻は、卵の中身を守っています。
中身には、成長すると、新たな生命体が形となって現れ、
ひよこから成鳥に発達する、豊富な栄養の成分と
体の構造を作る遺伝子が存在します。
人間の心理も卵と同様な構造物になっており、
エニアグラムで言う、性格タイプという卵の殻の部分と、
本質という名の白身と黄身で出来た中身との
二つの接着した部分で出来ています。
多くの人が間違っているのは、
自分の性格タイプがイコール、自分自身だと
思いこんでいることです。
これは、性格タイプと本質が接着しているので、
性格タイプが自分自身のように勘違いしやすいのですが、
性質も機能も全く違う、それぞれの部分です。
スーパーで売っている鶏の卵の殻も
白色であったり、赤っぽかったりします。
外側の色が白でも赤でも、茶であっても、
中身である白身は白身、黄身は黄身で、
どのような卵を割っても、中身に変わりはありません。
このように本質は、皆同じ性質、つまり生命を持ち、
新たな生命体を生み出すエネルギーと原理を持った部分です。
自分がどのような性格タイプの数字に生まれようと、
それは自分の殻の部分のただの色の違いであって、
自分自身の本質ではないことを、知っておいてください。
では次に、本質の性質について述べます。
その性質の一つは、エネルギー体であることです。
エネルギー体ですから、温度があり、活動もします。
さらなる特徴は、新たな生命体を生み出すということです。
その生命体は、人間の内面に作られる人格ですが、
外部では人間関係を生み出します。
白身と黄身がタンパク質やカルシウムの成分で出来ているように、
本質の成分もあります。
それは真の高潔さや愛、真正、創造性、理解、
導き、喜び、力、落ち着きです。
さらにここで覚えておいて欲しいのは、
卵と人間の違いです。
卵は、力を加えると簡単にひびが入り、割れ、
白身と黄身は直接、空気に触れ、生命は失われます。
しかし人間の卵の殻ともいえる性格タイプは、
絶対に壊れないのです。
力が加えられると、卵の中身である本質を守るために、
逆に成長して、殻が厚くなり、
その中身を守るべき性質を強化するように出来ています。
そして殻の部分である性格タイプが発達し、
厚く、硬いものであると、
本質の活動は大きく制限されます。
しかし不思議なことに、どのような性格タイプであろうと、
またどのような厳しい体験や深い傷を殻に負ったとしても、
本質は全くその影響を受けず、
能力も、特徴も変化しないのです。
ただ、殻である性格タイプによって、
本質の活動を制限されるという状況になります。
つまり、殻である性格タイプが肥大化すると、
本来持っている真の人間性の本質に覚醒することが
困難になるのです。
以上のような特徴を持った本質を
どのような方法で成長させるか、
さらに次号で解説をします。
安村明史