2018/05/31

辞めさせたい社員がいる

このメルマガは、約２０年続いています。

偶然、１０年前のメルマガを見つけ、

面白かったので、再掲載します。

２００９年１０月２７日号、当時は

 

「幹部リーダーのためのヒューマンスキル向上メルマガ」

 

と題していました。

 

メルマガ、ここから・・・・・・・・・・・・・・・・

 

このメルマガ読者の皆さんは、

下段に次のような広告をごらんになっているでしょう。

 

「◆対人問題を解決する専門相談は安村へ

→　 yasumura@enneacoach.com

辞めさせたい社員がいる。

辞めさせたくない社員がいる。（が、辞めようとしている）。

パワハラ、セクハラ、・・・」

 

 

この広告文を読まれて、あなたはどう感じられるでしょうか。

 

「社員を辞めさせる？人を活かすツールであるとうたう

エニアグラムコーチングがそれで良いのか？」と

お怒りになられる方もいるでしょう。

 

実際、ある地方の企業にお勤めの社員が抗議をされたと、

エニアグラムコーチングの准講師より聞きました。

（その社員は２名。いずれもタイプ１だそうです）

 

確かに私も、この広告文を掲載するとき、少し迷いました。

何故ならば、この不況のさなか「社員を辞めさせる」技術など

嬉しいはずもありません。

また文面を誤解する人も多いであろうことは予想できました。

 

実はこの件について、先週こんなことがあったのです。

 

パートナー企業からある目的で

「問題社員とのセッション」の依頼がありました。

（残念ながら、本当のその目的をここに書くことはできません）

 

問題社員のセッションとは、私と本人との

エニアグラムコーチングを使った面談のことです。

 

周りからの情報（複数）によると、

その社員は相当「問題」であると聞きます。

 

実際に会ってみました。

 

 

本人は、その社に勤務して２０年になるそうです。

 

私は、エニアグラムコーチングを説明し、

タイプ診断を行ってみました。

すると、タイプ４であることがわかりました。

 

確かに話の筋がおかしく、質問に答えません。

たとえば「あなたの現在の仕事の中でやる気は出ますか？」と聞くと、

 

「自分は八王子から通っているので、

ここまで来るのに、電車一本で来られるので、

とても便利だ」と答えます。

 

これは、タイプ４の特徴そのものです。

まるでレコードの針飛びのように、

脈絡のないコミュニケーションをするのです。

 

二人は、このようなかみ合わない会話を延々と続けました。

そして１時間後、私は本人にズバッと言いました。

 

「あなたは、起きている時間の８０％は

妄想、空想の世界で話をしています。

 

ですからあなたのコミュニケーションの方法では、

相手にまったく伝わりません。

現実に留まって、まず、相手の質問に答える努力をすることが重要。

 

現在までのあなたは、自分で無意識に、

多くのトラブルを招いていたことでしょう」

 

すると、その一瞬で人物は豹変しました。

受けて一方の、のらりくらりした話し方、

わけの分からない先程の会話は一変し、

逆にこちらに鋭い質問を投げかけ始めました。

 

「安村さん自身は、仕事にやりがいをどう感じていますか？」

「カウンセリングとコンサルティングの違いは何ですか？」

「エニアグラムコーチングは、どのように役立ちますか？」

「エニアグラムコーチングに危険性は無いのですか？」

 

次から次へと質問を発してき、

こちらが答えるのに必死な状況になりました。

そしてこちらが何も提示していないのに

（勝手に）まとめに入りました。

 

• エニアグラムコーチングは、現在の自分の業務の延長上にある

コンサルティングに非常に役立つ

 

• 営業先で、さらに深い分析を求められたとき、エニアグラムコーチング

を用いて人物・行動を説明することで営業の付加価値が高まる

 

• 組織の方向性を決めていく会議のファシリテーションにも役立つ。

ぜひ、会議でもファシリテーターとして力を貸してほしい

 

少し驚きましたが、すぐ納得しました。

このような現象は、各タイプの本質に触れた時に起きる、

いわゆる「覚醒」が起きた時の現象です。

 

この間、２時間。

 

 

その後、本人は自己理解、他社理解を通じて、

エニアグラムコーチングを学び、

自分の、また自社の業務に活かしたいと、熱く語りました。

 

自分の仕事の未来を熱く語るこの姿を、

経営幹部、またはこの人物を「問題社員」と

レッテルを貼った人たちは、

一度も目にしたことが無いことだろう、と思いました。

 

そして改めてエニアグラムコーチングは、

非常に短い時間で、人間の意識・行動を

変容させる技術であることに確信を持ったのです。

 

結論です。

 

私は「辞めさせたい社員がいる」という広告文は、

経営幹部、経営者に向けて作りました。

 

その意味は、「辞めさせたい社員を辞めさせる前に、

本当の能力を引き出すチャンスがありますよ」と

言いたかったのです。

 

ぜひ、誤解しないでいただきたいと願います。

 

ここまで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

過去のメルマガを読み、改めて人間の能力の可能性を引き出

すことに、さらに取り組みたいと思いました。

 

 

安村明史

 

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9つのタイプ別自己理解・他者理解・コーチングの練習を通じて、対人関係力を高めるため、人間の本質的成長を促す原理と基礎技術を学ぶことを目的としています。各タイプを一つずつ9回に分けて、じっくり学んでいき、理解を深めます。同時に、コーチングも学ぶことで、より実践的に日常やビジネスでの対人関係力を高めるための技術として習得していきます。