2016/01/12
「さくらちゃん(大学2年女子大生)」と「メーシー教授」が、あなたの人生に価値の高い気づきを与えてくれます。
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ゆうべ、お父さんとケンカしたの。お友達とカラオケに行って、ちょっと門限に遅れたからって怒るの。そして私のことを、いつもは子ども扱いするくせに、もう大人なんだからって言うし。もうお父さんなんか、大嫌い。
なるほど。「負けるが勝ち」じゃな。
「負けるが勝ち」ってなんですか?
吉本新喜劇にいる、池のめだかという役者さんを知っておるかな。
少し背が小さくて、チンピラなどにからまれて、さんざんやっつけられた後、「今日はこのくらいで勘弁しといてやるわ 」とか「口ほどにも無い奴らめ」とか言って、帰って行く人ですよね。あの人、おもしろい。
その通り。そして、さくらちゃんが池のめだかになる。
えー、どういうことですか。
一脚のイスとボールやクッション、枕など、イスにぶつけても良いものをいくつか用意する。そして、そのイスにはお父さんが座っていると想定する。そしてさくらちゃんは大声でお父さんの悪口を言いながら、ボールやクッションなどをイスに投げつけるのじゃ。「馬鹿野郎」とか、「お父さんなんか大嫌い」とか、「死んじゃえばいい」と言っても良い。
ええー、そんなことをするんですか。
そうじゃ。さくらちゃんの気が済むまで、お父さんの悪口を言いながら、ボールやクッションをイスにぶつけ続ける。 そして、もう言うことが無くなったと感じたら、最後に池のめだかのセリフを言う。「今日はこのくらいで勘弁しといてやるわ 」とか「口ほどにも無い奴め」と、想像のお父さんに言ってみる。
すると?
すると、さくらちゃんにはどのようなことが起こるかな?
なんだか、申し訳ない気がしてしまいます。だって、門限を破ったのは、私だし、お父さんは、私のことを思って言ってくれているのに・・・。さくら、反省してしまいます。
そうじゃ。それが、さくらちゃんの「本音」なのじゃ。人は、感情をぶつけて、ぶつけて、全て相手に言いきってしまうと、今度は自分の本当に伝えたいこと、「本音」が出てくる。私を助けて、置いていかないで、守って、甘えさせて、ほんとは大好き、優しくして、ホントは自分が悪いんだけど、謝りたいんだけど、かっこ悪くて、弱い自分を見せたく無くて・・・。そんな「本音」が出てくる。
そうなんですね。
それが「負けるが勝ちで、関係修復する方法」。池のめだかの「負けるが勝ち」のセリフ、「今日は、このくらいに、しといたるわ」「しかたない、ゆるしてやるか」と言ってみると、ふっと肩の力が抜けて、相手をゆるしてしまう。その瞬間、自分が本当に伝えたいこと「本音」が自分の中に浮かびあがってくる。負けてやることで、ゆるしてやることで、自分の本当の気持ちが分かり、相手との関係が修復される、ということになる。
そうですね。自分に素直になれそう。今夜、お父さんに謝ります。メーシー教授、今日も良いことを教えてくれて有難う。
*参考 心屋仁之助著 「人間関係が『しんどい!』と思ったら読む本」中経出版