2015/11/15
コツコツと仕事を積み上げていくタイプ6は、本人の能力が向上しているにもかかわらず、実際以上に自己を低く評価し、些細なことで自信を失いがちです。また常に、今日の業務に不足は無かったか、あすの準備に欠けていることは無いか、と不安感が湧いてきます。タイプ6の課題は、自己を承認し信頼する力、自分自身の中に安定の場所を見つけることです。そのためには積極的に、外側から承認を与える必要があります。(①のセッション部分)
しかし、長い期間に渡って他者から強く否定されて育ってきた場合、小さな刺激にも敏感に反応し、強い不安感と自分への自信を失って業務が止まってしまいます。そのような不健全な状態に陥ったタイプ6が、自己に安定的な信頼を得るに到るには、否定されてきた時間と同じ長さの時間、他者からの承認を要すると言われています。
この症状に対する対策は、最初に「気質的に不安感が湧いてくることが、自分にとっての普通である」と気づかせることです。(②のセッション部分)タイプ6が自分の気質の特異性に気づくだけでも、大きな安心感が得られます。次に、不安に取り組むのではなく、今、ここにある現実と必要に取り組むよう促します。少しでも進捗が見られたら承認、わずかでも前向きな考えを示したら承認、と連続的に承認を行います。(③のセッション部分)そのような育成をすることで、最終的には自己にマイナスな評価を与える悪癖、自己懲罰的な感覚を手放させることが出来るようになります。さらに方法として、良かったことを毎日、積極的に見つけさせ、日記を書かせることも効果的です。本人が自分にOKを出すような仕組みを役割として与えるのです。
上位者はこの気質を持つ人間の成長のために、継続的な承認を心がけてください。
EC=エニアグラムコーチング例「承認する」
リーダー(上司)「お疲れ様」
スタッフ(部下)「お疲れ様です」
リーダー「早速だが、次回のD社との面談の準備はどうだね」
スタッフ「あれは、まだ、もう少し時間がかかります」
リーダー「どのくらい待てばOKかな?」
スタッフ「3日あれば出来ます」
リーダー「君は慎重だし、ルールに忠実なので、安心して仕事を任せられるよ」(①積極的に、外側から承認を与える)
スタッフ「有難うございます」
リーダー「もし、不安に思っていることがあれば、あらかじめ話してもらえないかな」
スタッフ「・・・不安ですか」
リーダー「・・・(積極的な沈黙)」
スタッフ「・・・」
リーダー「・・・(積極的な沈黙)」
スタッフ「不安はいつも湧いてきますので」
リーダー「なるほど、不安がいつも湧いてくるのだね」
スタッフ「はい。自分が正しいことをしているのか、分らなくなってくるというか」
リーダー「それは、いつもかな」
スタッフ「・・・はい」
リーダー「では、その状態が普通なのだね」(②気質的に不安感が湧いてくることが、自分にとっての普通であると気づかせる)
スタッフ「はい。そうです」
リーダー「不安な状態が普通だと受け止め、もっと自分が感じたことや直感も信じてみて
はどうかね」
スタッフ「直感を・・・ですか。その問題が終わってから、自分の直感が正しいと知ったこともありました」
リーダー「もう少し、自分の力を信じてみるのはどうだろう」
スタッフ「はあ」
リーダー「君には君の能力が蓄積されていると考える。もっと、自分の力を信じて上げることは、君のプラスになるね。さらに言うならば、必要以上に自己を低く評価して、自信を無くしてきたのではないだろうか?」
スタッフ「そのとおりです。いつも自信がなくなります」
リーダー「それは君の妄想だね。君は、必要なフォローを誠実にやってくれる、安心な人だ。マイナスな妄想に振り回されず、ここにある現実の自分にOKをだしてはどうだろう」
スタッフ「自分にOKをだす・・・ですか。なかなか難しいですね」
リーダー「君は、ちゃんとステップアップしている。自分をもっと信じて、業務に励んでください」(③承認を行う)
スタッフ「有難うございます」
リーダー「うん、ではまた」
スタッフ「はい」