2015/10/23
今日は研修の最終日、EC=エニアグラムコーチングを学習する日です。高橋課長はワクワクしながら席につきました。このプログラムの面白さを感じて、自分のモチベーションが上がっているのが分ります。
講師は、こう話し出しました。
「今まで、コーチングを学び、エニアグラムへと学習を進めてきました。今日はEC=エニアグラムコーチングを学びます。EC=エニアグラムコーチングとは、相手の気質に合わせたコーチングの技術です。現在までのコーチング技術を使って、モチべーションを高める、能力を引き出す、気づかせることはできますし、活用されています。しかし、各気質が持つ傾向は無視されていたため、焦点のあてるべき面、気づかせる点はコーチの直感に頼ることが多く、まるで闇の中に矢を放っていたようなものでした。また、あるコーチング学校が教える4つの性格に分ける方法は、非常に精度が低くビジネスでは使えません。
『コミュニケーションにおける最高の方法は、相手の言葉で語ることだ』と言われていますが、コーチはまず、相手の言葉を学ぶ必要があります。相手の気質に合わせた言語をコーチが使うことにより、親密さを深め、強い信頼関係の土台を築くことが出来ます。例えば、タイプ1の言語は「であるべき」、タイプ2は「感謝、謙虚さ」、タイプ3は「挑戦、ゴールにむかって」、タイプ4は「感動」です。これらの言語はそれぞれのタイプの価値観を表しています。これらの価値観を含む言語を使用することで、共感された、受け入れられたと相手に感じさせ、話しやすく、協同的な関係を構築することが出来ます。気質を理解したコーチングによって、ゴール・情報の共有、真の課題の発見などに大きな効果があります。いわば、風邪を引いたとき、売られている総合感冒薬で治すか、医者の診断による処方薬、又は注射で治療に当たるかほどの違いがあります」
「日本にはいまだ、沈黙は金、努力をする人が報われる、苦しくとも口には出さずにお互いが我慢しあうという美風があります。比較してアメリカ人は、解放的で、自己主張をし、自分の価値観を知っています。ゆえに互いの価値観を尊重しあい、お互いを認め合いながらも、時にはぶつかり合う。これもアメリカの良さです。特に日本人との差を感じるのは、価値観への構えの違いです。
お話ししたように、気質から価値観が発生します。互いの価値観を明確にする文化と、覆い隠す文化との距離はコーチングでも埋まりません。しかし、気質が明確になり、その気質に沿ったコーチングが出来れば、その個人の価値観に沿った、最も効果的なコーチングが可能です。
また、営業成績には直接反映されます。営業リーダーの次の事例を読んでみましょう。
株式会社 タウ 営業部 入札課 次長 曽根原達也さん
「当時、私は10名程の部下をもつ営業リーダーであり、日々の部下の指導・育成に悩み苦しんでいました。その中で、あるメンバーに指導をしていた時の事です。
彼は入社当時から成績が良く、営業力を持った中途入社の社員でした。しかし、ある時から何故か成績が安定せず、目標未達成が連続する時期が続きました。彼は常に不安な様子で、ネガティブな発言が多くなり、『前向きに考える事が出来ない』と言いました。以前の 私はそんな彼に『前向きに取り組んでいこう』と一方的な指導をしていました。しかし、EC=エニアグラムコーチングを学んだ後はそれをやめ、不安に感じている話の内容を聞くことにしました。
すると彼は、『業務において想定外の事が起きると不安や恐れを感じる』と言いました。『前日に、どんなに準備をしても不安で仕方がない」とも言っていました。これは私の学んだとおり、タイプ6が不健全な状態に陥った時のタイプ6の気質から出た症状であると理解しました。
私は、私の営業経験から、準備段階での不安要素を全て取り除くように手助けをし、肩もみしながら『大丈夫!』という言葉を何度も掛けました。すると彼は、夜のミーティング後、自信を取り戻した表情で家に帰るようになりました。その後も私は、『明日は必ず成果を上げてくる』と信じ、見守り続けました。
この指導を続けた結果、商談を成立させる日が続き、再び目標を達成することが出来るようになりました。私はリーダーとして、タイプ6が持つ不安感を理解し、寄り添う指導を行うことによって良い成果を出すことが出来ました」
高橋課長は、3週間前大村リーダーにコーチングを行い、相手を追い詰めてしまったことを思い出しました。その後なんとなく関係が気まずくなってしまいましたが、解決する可能性があると感じられました。改めて考えてみると、大村リーダーはタイプ9と思われます。最も自分の意見を言わない気質です。あの場で目標を出せと言ったことはマネージメントとしては失敗だったかもしれません。持ち帰って、課題をじっくり考えさせてもよかったかもしれません。タイプ3である自分は、どうしてこうも、いつも結果ばかりをあせってしまうのか。
また、今まで離職して行った多くの社員、部下との関係も、EC=エニアグラムコーチングを使っていれば、モチベーションを高めることが出来たかもしれません。講師は次の事例を読み始めました。
「次に、外資系銀行にお勤めの方の事例です。タイプ3の気質を持つ女性マネージャーと同僚の方との例です」
ドイツ銀行 東京支社 ビジネスマネージャー 監査部 篠原昭子さん
「EC=エニアグラムコーチングを学び、自己と他者の『行動の謎』を理解し、『新たな行動を促す』ことができるようになりました。
タイプ3である私のマネージャー業務のありかたは、いわゆる結果重視になりがちです。しかし、タイプの違いを知った後、安心感を求める気質である同僚のタイプ6に対して、業務プロセスを詳しく説明し、参考資料を増やすようにしました。すると、以前は『後で見ておく』と言って、時間がかかっていた仕事も、すぐその場で片付けてくれるようになりました。
このように、相手の気質にあった対応をすることで、以前より結果が出やすくなったと感じますし、何より自分自身がコミュニケーションを楽しめるようになりました」
講師は続けました。
「この女性マネージャーはタイプ3の気質であると自覚しています。この女性マネージャーにとってのモチベーションが上がる言葉とは『君に期待している』です。ところがタイプ6である同僚にとってのモチベーションの上がる言葉は『君に安心して任せられる』です。タイプ6が『期待している』と言われると、モチベーションは急激に下がります。体中が不安で満たされると言います」
高橋課長は目が醒めた気がしました。今までの自分のあり方は、人の気持ちは分からないものだ、と決め付け、他者の理解しがたい部分には、自分のモチベーションの上がり方や自分のキーワードだけを使って指導、育成してきました。それはある意味、拒絶であり、価値観の否定であったのです。また、自分の言葉で、他者のモチベーションを下げてきたこともあったとは・・・。
自己理解でハッピーになる1日集中セミナーを受講することで得られる効果とは・・・
荒井 かおり 様(仮名)
村上 恵美 様
「自己理解でハッピーになる1日集中セミナー」、ありがとうございました。
子どもや主人の事など相談させていただいて、どうすれば良いか具体的な方法を教えていただけて大変役に立ちました。
9タイプすべての言語をマスターするには、まだ時間がかかりそうですが、まずは自分と家族、身近にいる人たちのタイプを知って、学びを役立てていきたいと思います。
子育てしていく上で、エニアグラムコーチングを学べたことは、とても良かったと感じています。子どもそれぞれのタイプをいかしてかかわっていき、一緒に成長していきたいと思います。
私はタイプ1なので、エニアグラムを知らなければ、タイプ4の娘をつぶしてしまっていたかもしれないと思います。エニアグラムを学べたことに感謝致します。
山本 豊 様(仮名)
自己の分析を通して、今後の自分の成長に繋がるよう、課題や問題を克服していきたいと思いました。9つのタイプは大変理論的であること、生物学的にも説明がつくことを、改めて認識することができました。1日限りのセミナーでしたが、ここで得た知識に基づいて、今後にいかしていきたいと思います。
安藤 仁志 様 (男性)
非常によかった。経営に活かせる生(なま)の知識だと感じた。人を動かすための必須知識!
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