2015/10/31
タイプ2の見分け方
使用する言葉は、「有難う」「感謝」「心」「おかげさまで」「謙虚に」「~してあげる」「~
さんの為を思って」です。タイプ2の外見は、いつも和やかな雰囲気を持っており、暖かさと優しさを感じさせます。親切な振る舞いで、アットホームな雰囲気が好きです。しかし時として、他者が必要としない場やプライバシーに入り込みすぎることもあります。 例えば、勝手に人の家に上がり込み、頼まれてもいない家事を世話したりする、求めてもいない物を買って来る、などで、おせっかいだ、と疎んじられます。人との関係が大切なので、話が長くなる傾向があり、汗をかきやすく、特にパニック状態であるときは顕著です。他者を訪ねる、会合するときは食べ物を用意する傾向があります。
タイプ2とのトラブル対処法
課題1:「他者への過剰な手助けについて」
人間関係を第一として、損得勘定抜きに他者の面倒を見ようとするタイプ2にとって、関係はより接近したものである必要があります。(①の部分)しかし人の成長には、手を出すべきではないことには手を出さずに見守ることも大切な方法です。見守るとは、距離を置いた関係で静かに観察することですから、見守る側が自立していることが条件です。(②③の部分)
本当に相手にとって必要なこと以上に手を出してしまうタイプ2が自立することは、大きな課題です。(③の部分)このダイアログでは、「部下を自立させるためには」というテーマで課長はコーチングしていますが、本当の狙いは、タイプ2リーダーの自立です。動物の子育ての仕上げが母親との別れであるように、タイプ2の自立によって、部下が自立的に育っていきます。
課長(上司)「お疲れ様」
リーダー(部下)「お疲れ様です。早速ですがお話しとは、何か?」
課長 「うん、君のチームの成績だが、今回は、なかなかいい数字を出してくれているじゃないか」
リーダー「有難うございます。おかげさまで、何とか目標をクリアー出来そうです」
課長 「君も、みんなの面倒を一生懸命見ているね」
リーダー「いえ、お互い様ですから」
課長 「で、来期に向けてなんだが・・・」
リーダー「はい」
課長 「チームの力をつけるために、少し考えてみようと思うんだ」
リーダー「はあ・・・と言われますと?」
課長 「今の力を、さらに伸ばすためには、リーダーとしては、何が出来ると思う?」
リーダー「私ですか?私としては・・・もっと、助けてあげるとか、ですか」(①関係はより接近したものになる)
課長 「うん、助けてあげるのは、だいぶやってくれているよね。朝早く出勤して、みんなの営業の準備もしているじゃないか」
リーダー「はい。チームの仲間ですから」
課長 「うん、そこでなんだが、皆が、もっと君から、自立してやっていくことは、出来ないものなのだろうか」
リーダー「え、自立ですか?」
課長 「うん、そうだ」
リーダー「ええ~、それは考えたことはなかったです。自立・・・」
課長 「うん・・・」
リーダー「みんなの自立ですか・・・難しいですね・・・」
課長 「難しいよな・・・・・できるかな?」
リーダー「・・・」
課長 「・・・(積極的な沈黙)」
リーダー「・・・」
課長 「・・・(積極的な沈黙)」
リーダー「皆が私をあてにせず、業務をこなしていくことですよね」
課長 「・・・そうだね」
リーダー「どうすればよいのでしょうね」
課長 「どうすれば、君をあてにしなくなるかな」
リーダー「私が、あえて皆から離れるとか・・・ですか」(②見守る側が自立していること)
課長 「そうだね、それだね」
リーダー「あ~、そうですか」
課長 「皆に自立が必要だと思うのは、来期、新たな新人の採用枠があるからなのだよ」
リーダー「はい」
課長 「君のやってきたことを、新人君たちに、今度は皆でやって上げなくては、全体の業務が、回らなくなってしまうからね」
リーダー「まあ、そうですね」
課長 「だから、皆の自立が必要なのだ」
リーダー「で、自分はどうすればよいのでしょうか」(③必要なこと以上に手を出してしまうタイプ2が自立することは大きな課題)
課長 「具体的にどうすることが良いか、作業の手順も組みなおし、それぞれの役割を、考え直さなくてはならないね。次回、また話そう。それまでに、概案を作っておいてくれないか?」
リーダー「分りました」
課長 「次回の話し合いのスケジュールは、メールで送っておくよ。テーマはスタッフの自立、だ」
リーダー「わかりました」
課題2:「怒りについて」
タイプ2は、業務の役割としてやるべきことに対しても感謝を期待してしまいます。(①の部分)仕事もプライベートも分け隔てなく、他者への手助けと感謝期待の関係で成立しているからです。そのことから起きるトラブルは「期待したとおりの感謝が得られない葛藤、怒り」です。プライドが満たされないタイプ2の最後の言葉は、怒りを込めて、「もし私がいなかったとしたら、ろくなことは出来なかっただろうに」「もし、私が助けなければ、ろくな者にはなれなかっただろうに」です。
プライドの高いタイプ2には、本当の謙虚さを学習する機会が必要です。真の謙虚さとは、例え自分への感謝が無かったとしても、自分の存在を疑わず、それぞれの他者の想い、批判をも受け止めるということです。(②の部分)
EC=エニアグラムコーチング例「真の謙虚さに気づかせる」
課長(上司) 「お疲れ様」
リーダー(部下)「お疲れ様です。お話しとは、何か?」
課長 「うん、君の部下のC君との件なのだが・・・」
リーダー「はい」
課長 「C君から、君と仕事上でうまく行っていない件を聞いたのだが、少し詳しく話してくれないだろうか」
リーダー「あ、あの件ですか。彼は私が面倒をみて上げても、ちゃんとやってこないのですよ」
課長 「どのように、面倒をみていたのかな」
リーダー「彼はまだ、異動してきたばかりですから、情報も不足していますし、手助けが必要なので・・・」
課長 「確かにそうだろう」
リーダー「なので、私の時間を使って、いろいろ指導したつもりなのですが・・・」
課長 「うん、それで?」
リーダー「彼は、私の援助なしでは、到底ろくな仕事が出来ませんから・・・」
課長 「・・・なるほど。君の援助なしでは、ろくな仕事が出来なかっただろう、と思ったのだね」
リーダー「思います」
課長 「彼も、そう言われたと言っていた」
リーダー「感謝の気持ちが足りないのじゃないですかね、彼は」(①役割としてやるべきことに対しても感謝を期待してしまう)
課長 「感謝の気持ちね・・・本当にそれでよいのだろうか?」
リーダー「は?と、言われますと」
課長 「私が思うには、君は役割としてやるべきことに対しても、感謝を期待している場合があるのじゃないか、と、感じるのだよ」
リーダー「・・・」
課長 「自分では、どう思うかな」
リーダー「・・・まあ、そうかもしれません。では、助けが必要な人には、どうすればよいのでしょうか?」
課長 「助けが必要な時は、助けなければならないね。問題は、その時のこちら側のことだ。君の、C君からの感謝に対する期待は分るが・・・」
リーダー「・・・」
課長 「君とC君と感謝の問題はどのように考えるかね」
リーダー「・・・」
課長 「・・・(積極的な沈黙)」
リーダー「・・・確かに感謝を求める気持ちは、自分の中にあります」
課長 「何かをしてあげる・・・感謝される・・・君としては嬉しい。・・・感謝されない・・・君としては怒りが湧いてくる、仕事としてはそれでよいのだろうか」
リーダー「やっぱり、ダメですよね」
課長 「・・・私はね、皆からの感謝を期待しては、仕事をしていないよ」
リーダー「・・・そうですか」
課長 「私は、会社全体のためと、自分のために仕事をしていることで、満足を得ていると感じているので・・・感謝されるために、仕事をしているわけではない」
リーダー「・・・そうですか」
課長 「何をしたとしても、感謝する人もいれば、邪魔をされたと思う人もいる。また、何かしてもらわなくとも、私のファンもいれば、敵とみなしている人もいる」
リーダー「そうですね」
課長 「私はね、君に感謝から離れて、もしも君に感謝しない、君を受け入れることのない人との関係も、受け入れられるようなリーダーになって欲しいのだよ」(②自分の存在を疑わず、それぞれの他者の想い、批判をも受け止める)
リーダー「・・・難しそうですね」
課長 「難しいだろうね」
リーダー「・・・しかし、考えた方がよいですね。今日、お話を伺って、何か、今までのやり方と違う、何かを感じました。まだ、よく分りませんが」
課長 「これは、君の、今までの人との接し方を変えることなので、じっくりと取り組むべき課題だね」
リーダー「はい、分りました」
課長 「また、話そう」
リーダー「はい、まだ、もやもやしていますが、重要なことであることは分ります」
解説
このコーチングで、タイプ2の怒りの問題、全てを解決したわけではありません。しかしタイプ2が気がつかなかった、自動的な怒りの感情にフォーカスしたことに意義があります。怒りの原因は、タイプ2の「自立することで2度と愛してもらえないのではないか」という強い思い込み、間違いなのです。深いこの課題に気づかせるために、もうしばらく、課長はコーチングを続ける必要がありそうです。尚、タイプ2へのNGワードは「あなたは必要ない。あなたに求めていない」です。常に、自分が求められ、愛されることを欲求するタイプ2へは、全ての関係を断ち切られた怒りをもたらす言葉です。この言葉を発した人を一生うらみ続けることでしょう。気をつけましょう。
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荒井 かおり 様(仮名)
村上 恵美 様
「自己理解でハッピーになる1日集中セミナー」、ありがとうございました。
子どもや主人の事など相談させていただいて、どうすれば良いか具体的な方法を教えていただけて大変役に立ちました。
9タイプすべての言語をマスターするには、まだ時間がかかりそうですが、まずは自分と家族、身近にいる人たちのタイプを知って、学びを役立てていきたいと思います。
子育てしていく上で、エニアグラムコーチングを学べたことは、とても良かったと感じています。子どもそれぞれのタイプをいかしてかかわっていき、一緒に成長していきたいと思います。
私はタイプ1なので、エニアグラムを知らなければ、タイプ4の娘をつぶしてしまっていたかもしれないと思います。エニアグラムを学べたことに感謝致します。
山本 豊 様(仮名)
自己の分析を通して、今後の自分の成長に繋がるよう、課題や問題を克服していきたいと思いました。9つのタイプは大変理論的であること、生物学的にも説明がつくことを、改めて認識することができました。1日限りのセミナーでしたが、ここで得た知識に基づいて、今後にいかしていきたいと思います。
安藤 仁志 様 (男性)
非常によかった。経営に活かせる生(なま)の知識だと感じた。人を動かすための必須知識!
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