ホーム » ブログ » 能力が低い人は、自分の能力が低いことに気づく能力も低い
株式会社エニアグラムコーチング - ブログ

2018/11/08

能力が低い人は、自分の能力が低いことに気づく能力も低い

心理学者のダニングとクルーガーは、

「能力が低い人は、自分の能力が
低いことに気づく能力も低い」

を証明するための実験を行いました。

その実験では、「ユーモアのセンス」など
いくつかの能力に関するテストを実施し、
同時に自分の能力についての自己評価を求めました。

自分の能力の自己評価は、
パーセンタイルを用いました。
これは、自分の能力が全員の中で下から何%のところに
位置するかを答えるものです。

例えば、20パーセンタイルというのは
かなり下の方に位置し、
50パーセンタイルはちょうど平均、
80パーセンタイルになるとかなり上の方に
位置することになります。

被験者を成績順に4等分し、
上位4分の1に属する「最優秀グループ」、
以下、「平均より少し上のグループ」、
「平均より少し下のグループ」、
下位4分の1に属する「底辺グループ」に分けました。

まず「ユーモアのセンス」についての結果を見ると、
「底辺グループ」の平均得点は下から12%のところに
位置するものでした。ゆえに、「ユーモアのセンス」は
極めて乏しいと言わざるを得ません。

ところが、「底辺グループ」の自己評価の平均を見ると、
58パーセンタイルになりました。

これは50パーセンタイル(平均)を超えており、
「底辺グループ」の人たちは自分の「ユーモアのセンス」は
平均的な人より上だと思い込んでいることがわかります。

つまり、実際には下から12%の実力しかないのに、
本人たちは平均より上と思っているのであり、
自分の能力を著しく過大評価していることになります。

一方、「最優秀グループ」ではそのような過大評価は見られず、
むしろ逆に自分の能力を実際より
低く見積もる傾向が見られました。

ダニングとクルーガーは
「論理的推論の能力」についても実験をしました。

この結果を見ても、「底辺グループ」の平均得点は
下から12%のところに位置するものでしたが、
「底辺グループ」の自己評価の平均を見ると、
68パーセンタイルとなっており、
50パーセンタイルを大きく上回っていました。

ここでも、「底辺グループ」の人たちは、
自分の「論理的推論の能力」は
平均よりかなり上だと思い込んでいました。

このような実験により、ダニングとクルーガーは、
能力の低い人ほど自分の能力を
著しく過大評価する傾向があることを実証してみせました。
このことをダニング=クルーガー効果と言います。

 

先日、新大阪でセミナーがあり、
セミナー会場についてJRの改札口で、道を訊ねました。
私はグーグルマップ検索をし、周辺と目的地を書いた
地図を紙に印刷して持っていました。

私は、その地図を持って、新大阪駅の新幹線出口で、道を聞きました。
改札にいて、私に応対してくださったのは女性の方です。

 

私「すみません。ここへ行きたいのですが、どう行けば良いのでしょう」

JRの方「あ、これはですね、駅を出られて北へ向かってください」

 

私「ええと、あの、ここなんですが・・・」

JRの方「ですから、駅を出て北ですね。はい」

 

実に、堂々と言い切る女性。
このやりとりをしながら、頭の中にはっと思い浮かんだのが
「能力が低い人は、自分の能力が低いことに気づく能力も低い」
と言う実験結果でした。

能力としてこの方に必要なことは、
まずは相手の能力を測る力です。

相手が、どのレベルの読図力や地域の理解力、
鼻が利く人間なのかを見極める能力です。

たぶん教えて下さった方は「北ですね」で
目標にたどり着けるのだと思います。
タイプ7、8、9は意外と、そんなざっくりとした情報でも、
たどり着ける事実を何度も目にしてきましたので、
その方が、全て悪いわけでは無いと思います。
ただ、私には、効果的な方法では無かったというだけです。

正確に言えば、このケースは、
「自分が分かるやり方だけで、
全ての人間が分かるわけでは無い」ということです。

「自分の言っていることだけでは、
他人には理解されない」ことを理解出来ない人は、
能力の低い人だと思います。
でも、そんな上司や取引先は、世の中に沢山います。

 

安村明史

 

参考:心理学博士榎本博明氏コラムより

テーマ提供:特定社会保険労務士 半田朱美氏

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

エニアグラムを一緒に研究している帝京平成大学 大学院教授 馬場洋介先生が上梓されました。

「キャリア心理学 ライフデザイン・ワークブック」(ナカニシヤ出版)

キャリアデザイン、ライフデザインに関わる対人支援者には、全体が網羅してあり、かつ事例が豊富で、分かりやすいテキストです。ぜひ、お手元に置かれてください。
→ http://ur0.link/NiGb

開催講座   

【体験セミナー(2時間)】

エニアグラムとは?エニアグラムを学習するメリットは?他の研修との違いは?等の疑問をお持ちの方は、まず2時間の体験セミナーにお越しください。

【入門セミナー】

1日でエニアグラムの9つのタイプの概要を学べます。それぞれのタイプの特徴や考え方、思考の傾向を学び自分だけでなく、周りにいる人たちについてもより深く知りたいという方に。

【通信コース(全12回)】

毎回各タイプの講義の他、それぞれのタイプのモデルから赤裸々な内面の性格タイプの特徴も聞くことが出来る充実の内容です。忙しくて通学できない、遠くて通えない、という方にも。

【通学コース 基礎クラス(全9回)】

各タイプを一つずつ9回に分けて、じっくり学んでいき、理解を深めます。自己成長と他者理解、それからの自己成長を目的としています。同時に、コーチングも学ぶことで、より実践的に日常やビジネスでの対人関係力を高めるための技術として習得していきます。

メールマガジン

火曜日は「コーチング・エニアグラムでビジネスを10倍楽しくする方法」
人間関係が良くなる、幸福になる、成功のためのヒントを深く掘り下げて送ります。
木曜日は「今日のあなたへ」
性格タイプごとに、成長を促す、気づきを与える珠玉の言葉を送ります。